「楽な仕事なんてないよ」って言葉、よく言われたりしませんか?
特に今就職や転職を考えている方にとっては、よく聞かされる言葉かもしれませんね。
ここでちょっと私の話をさせてください。
私は今、とある会社で事務の仕事をしています。今の会社に入ってから、1年と4か月ほど経とうとしているところです。
その前は、別の会社で営業の仕事をしていました。
新卒で入った会社だったのですが、とにかく仕事ができなくて、いつも上司から怒られてばかり。
会社のトイレや社用車の中で、よく一人で泣いていたのを覚えています。
営業なのに、お客様先に電話したり訪問したりするのが憂うつで仕方なかったです。
営業に行くのが怖くて怖くて、午前中ちょっとお客様先に顔を出しただけでぐったり疲れてしまうため、昼休みは社用車の中で寝て過ごし、昼休みが明けませんように…って祈るような日々でした…。
そんな毎日を過ごしていたある朝のことです。
起きようとしたら、体が動かなかったのです。会社に行けなくなってしまいました。
それがきっかけで、私は元々持っていた気分変調症という精神疾患を悪化させてしまい、半年ほど休職したすえに退職しました。
私はなんて情けないんだろう…と落ち込みました。
でも、いつまでも無職でいるわけにはいかないと思い、私は退職と同時に求職活動を始めました。
そのときに、「楽な仕事なんてないよ」という言葉にも出会いました。
「楽な仕事なんてないよ」という言葉に出会ったとき、私は絶望感を感じたのを覚えています。
私自身、その言葉を聞いたのが、新卒で入った営業の仕事を辞めてしまい「自分はなんてダメなんだ」と落ち込んでいたタイミングだったので、
「楽な仕事なんてない」=「私にできる仕事なんかない」というネガティブな捉え方になってしまったんです。
そんなネガティブな捉え方を持ったまま、私はいくつか面接を受けました。
3〜4社ほど落ちてしまいましたが、半年ほど就職活動を続けるうちに、最初にお話した事務の仕事に採用してもらうことができました。
でも私は、「楽な仕事なんてない」=「私にできる仕事なんかない」というネガティブな考え方に支配されていたので、「今回の仕事は私にもできるんだろうか…」「今回の仕事もまたすぐ辞めてしまうんじゃないか」「続かなかったらどうしよう」という不安でいっぱいでした。
でも、今の事務の仕事は、現時点で1年4か月ほど続けることができています。
体調を崩し休みがちになることはありましたが、休職をすることもなく今に至っていますし、営業時代ほどの憂うつ感を感じたことは今のところないです。
前の営業の仕事は、仕事内容や人間関係などいろんな要素が憂うつで、7か月ほどで休職してしまったので、その頃と比べたら自分に合っている仕事に就くことができたといえると思います。
この記事を読んでいる方の中には、私と同じように、「楽な仕事なんてない」=「私にできる仕事なんかない」といったようなネガティブな捉え方をしている方がいらっしゃるのではないでしょうか?
確かに、楽な仕事はない。それはある意味事実だと思います。
どんな仕事にも、それぞれの大変さがあるのだと思います。
だからこそ、自分にとって「耐えられる大変さ」は何か、を見極めることが重要だということを、今回私は伝えたいです。
私にとって営業は、「耐えられない大変さ」だった。
人と深く関わるのが苦手で、お客様先に訪問するのが憂うつだった私にとって、営業の大変さは、体調を崩してしまうほど耐えられないものだった。
一方、今やっている事務の仕事は、私にとって「耐えられる大変さ」だった。
確かに仕事が憂うつになることはあるけど、事務の仕事をコツコツやることは、私にとって比較的得意なことだった。
だからこそ、休職したりせずに1年以上続けることができた。
人には、一人ひとり「耐えられる大変さ」と「耐えられない大変さ」があるのです。
「耐えられる大変さ」というのは、比較的自分の得意なことである場合が多いと思っています。
現に、営業の仕事のときは、毎日心身を疲弊させていたにもかかわらず、全く成果が出ず怒られてばかりでした。
ところが、事務に仕事を変えた途端、1年以上勤めることができたうえに、「仕事速いね!」と言ってもらえるまでになりました。
大変な思いをして頑張っていたのは、間違いなく営業の仕事です。
でも、成果が出ていたのは、比較的楽にこなしていた事務の仕事です。
精神をすり減らして大変な思いをした結果成果が出なかったのに、比較的得意なことを楽にこなしたほうが成果が出るなんて、努力は必ずしも報われるわけではないんだなあ…と少し虚しい気持ちになりましたが、それが世の中の真理なんですね。
「楽な仕事なんてない」=「私にできる仕事なんかない」ということではないんです。
できる仕事がない、なんてことはありません。
みんな人それぞれ、「耐えられる大変さ」は違うし、向いていることも違うのです。
だからこそ、自分にとっての「耐えられる大変さ」、つまり向いていることを知ることが重要なのです。
確かに、楽な仕事はないかもしれません。どんな仕事にも、違った大変さはあります。
でも、その中でも自分にとって「耐えられる大変さ」のある仕事をこなしていくことで、「耐えられない大変さ」のある仕事よりも楽に感じられることはあると思うし、そうなると自ずと結果も出やすいと思うのです。
「営業は向いていなかった。営業よりは事務のほうが向いている気がする」
こんな感じで、「◯◯よりは××のほうが向いてそうだな」といったゆるい比較でも効果はあると思っています。
私自身、この考え方で事務の仕事を選択することができました。
その問いかけを繰り返していけば、どんどん自分に合った仕事に近付いていけるのですから。
絶対、あなたにも「耐えられる大変さ」はあります。
自分にとってできそうなことは何か。無理なくできることは何か。
そういったことから、ちょっとずつ考えてみてくださいね。