あなたは、失敗したときに自分を責めたりしていませんか?
でも、失敗しても自分を責める必要はないんです。
私は、中学生のころに気分変調症という精神疾患を発症し、それから10年ほど経ちます。
今でも失敗すると落ち込むことはありますが、以前と比べたら自責はだいぶなくなりました。
今日も、早起きしてやりたいことがあったのに起きれなくてできなかった、ってことがありました。
以前までの私だったら、こんな些細なことでも自責してしまっていましたが、今は落ち込むことはあっても自分を必要以上に責めることはなくなったように思います。
私の中学生のころのことを話します。以前も書いたことのあるエピソードですが…。
私が気分変調症になったのは、中学生のときに、自分のことを責めたり貶したりする思考を繰り返していたからだと思っています。
私は、気分変調症になる前の中学1年生のとき、毎日の部活や勉強が楽しくて仕方ありませんでした。
特に部活が楽しくて楽しくて。
中学に入って初めて吹奏楽部に入り楽器を始めたのですが、憧れの先輩や仲間たちと一緒に練習するのが本当に楽しかったし、楽器が上達するにつれて先輩や先生からも褒められるようになるのが嬉しくて嬉しくて。それで部活にのめり込むようになりました。
ところが、部活に入って半年ほど過ぎたあたりのことです。
部活や楽器が大好きだった私は、もっともっと楽器が上手になりたい、と思うようになりました。
そのためにどうしたらよいか自分なりに考えた末に、「もっと自分に厳しく練習しなきゃ」と考えるようになりました。
今考えると、この思考がそもそも間違いだったのでしょう。
それまでは、とにかく楽しみながら楽器を練習していて、それで上達していたのだからそのままで良かったはずなのに。
考えてみれば、自分に厳しくし始めてからです。
…楽器を吹くのが楽しくなくなっていったのは。
それからというもの、ちょっとミスをしたり、ちょっと吹き方の課題が見つかるたびに、自分を厳しく責めるようになりました。そのうち、上達もあまり感じられなくなりました。
やっぱり、「好きこそものの上手なれ」という言葉があるように、物事を楽しみ、好きになることが上達には大事な要素だったんだなって思います。
自分を責めたり貶したりするうちに、楽しむ気持ちがどんどん薄れていき上達のスピードも落ちたんだと思います。
でも、私は自分を責めたり貶したりするのをやめませんでした。むしろ、どんどんエスカレートしていきました。
「自分が上達しなくなってしまったのは、努力が足りないせいだ。もっと自分に厳しくしていけば、いつかまたきっと上達するはずだ。」
そう思うようになってしまい、自分を責めたり貶したりすることに依存するようになってしまいました。
やめたくても、やめられなかった。ここで自分に厳しくするのをやめてしまったら、もっと下手になってしまうんじゃないかと不安で、怖くて。
ところが、現実とは非情なもので、上達するどころか、どんどん下手になっているような気さえしました。
実際、音色が悪くなりましたし、指回しやタンギングなどのテクニックも落ちました。
居残りで自主練を続けたりもしましたが、上手くなることはありませんでした。
練習をすればするほど、下手になっていく。
でも、自分を責めたり貶したりすることはやめられない。
気付けば、勉強や習い事、趣味やプライベートにおいても自分に厳しくするようになっていき、私はたちまちうつ状態になっていきました。
好きな音楽を聴いたり趣味をしていても楽しくない。何もしてなくても心が苦しい。死んでしまいたい。そんな気持ちになり、感情も徐々に麻痺しているような感覚を覚えました。
このように、自責は心を壊します。
メンタル疾患を引き起こしかねません。
私はその後、何年もかけて、ちょっとずつ自責をしない練習をしていきました。
自責に気付いたらその都度やめるように心掛ける。その繰り返しです。
自責してしまう自分を自責してはだめですよ。
自責がどうしてもやめられないときは、自責してしまう自分を優しく受け入れるようにします。
「つらいね」「大丈夫だよ」
自分に優しい言葉をかける癖をつけると、ちょっとずつ自分に優しくできるようになれます。
私の場合、今は自責することこそ減ったものの、失敗すると必要以上に落ち込んでしまうことはまだあります。
失敗しても落ち込みすぎないようにするのが、今の密かな目標です。
あなたも、どうか自分のことを責めないでくださいね。
一緒に、自分に優しくなれるよう根気強く頑張っていきましょう。