あなたは、「死にたい」「消えたい」と思ったことはありますか?
私は、よくあります。気分変調症という病気になってからというもの、そういった気持ちになることが非常に多くなりました。
いわゆる「希死念慮」ってやつです。
先日、病気の影響かものすごく死にたい気持ちが高まってしまいました。将来に何の希望も見いだせなくなってしまって。
ロープを用意し、自宅で自殺しようとしたのです。
ネットで首吊りロープの結び方を調べ、見よう見まねで結び、首にロープをかけ台に乗りました。
結果的には、死ねませんでした。
首に重さをかけてみましたが、その重さで吐き気をもよおしてしまい、それで怖くなり死ねませんでした。
死にきれなかった自分を責めました。なんて情けないんだろう、と…。
しかし、その後とある本を読み、興味深い言葉と出会いました。
ハ・ワンさんという方が書かれた、「あやうく一生懸命生きるところだった」という本の一節です。
「リスは、ほかのリスより美醜に劣るとか、ドングリを集められなかったからといって自殺したりはしない。動物たちには幻想がなく、ありのままの自分で生きている。現在の自分の姿に悲観して自殺を選ぶのは人間だけなのです。
ゆえに、幻想の自分を合わせようと抗うことは好ましくない。幻想を捨て、ありのままの自分を愛しなさい。自分はまあこのくらいの人間なのだ、それでも悪くないね、と」
この言葉を見て、私は少し気が楽になりました。
今まで私は、自分を過大評価していて、その幻想とのギャップに苦しんでいたんだ、と。
今の自分に悲観して自殺しようとするんじゃなく、動物たちのようにありのままの自分を受け入れて生きるのが、本来の生き物としての生き方なんじゃないかと思ったのです。
病気の影響か、その本来の在り方を私は忘れてしまっていた…。
…もちろんそれだけで私の希死念慮が消えたわけではないし、病気が苦しいのは変わりないですが、考え方として気が楽になりました。
その後、さらにこんな言葉にも出会いました。
秋田巌先生が書かれた、「うつの人の風呂の入り方」という本の中の一節です。
「生きることが最大の治療です。精神療法です。なんとか生き延びてください。必ずやその苦しみに見合うだけのものが、いつの日にか訪れます。」
生きることこそが最大の治療である、という考え方は、個人的には目から鱗でした。
今私が抱えている希死念慮も、きっと病気の影響なんだ、と改めて思えるようになりました。
どんなに低い目標、どんなに低いハードルでもいい。生きることを目標に、もう少しだけ頑張ってみようかな…と思えたのです。
本の力とは偉大ですね。さっきまで死のうとしてた私の心を、いとも簡単に救ってしまった。
命以外なら、なんだって諦めていいというメッセージを受け取ったような気がします。死ぬくらいなら、どんなに逃げ出したっていい。かっこ悪いとか逃げ癖がついてしまうとか、そんなのどうでもいい。
私の命も、あなたの命も、決して替えがきかないもの。だからこそ、あなたはそのかけがえのない命を守らなければなりません。
死んでしまうくらい苦しいなら、逃げていい。生きているだけで、あなたには価値がある。存在しているだけで救われる人がいるんです。
きっと私には、病気の影響でまた希死念慮を感じるときが来るんだと思います。
そのたびに、私は「リスのようにありのままの自分で生きられているか?」「生きてるだけでいいんだ。生きてることが一番の治療だよ」と言い聞かせて生きていきたいと思います。
どうかこれを見ている皆さんの心も、楽になり癒されますように…。